​「トレビの泉(トレヴィの泉)」は、法王クレメンス12世主催の噴水コンクールで優勝した、ローマの建築家ニコラ・サルヴィにより設計された人工泉。ローマにある噴水の中で最大の泉で、ローマ・バロックの傑作といわれている、ローマ屈指の観光名所です。三叉路という意味の「トリヴィオ」に位置することから、トレビの泉と呼ばれるようになりました。

背後にあるポーリ宮殿の壁を借景として取り入れてデザインされていて、中央に海神ネプチューン(ポセイドン)、左に豊饒の女神ケレース(デーメーテール)、右に健康の女神サルース(ヒュギエイア)が飾られています。

1762年に完成したこの「トレビの泉」は元々、古代ローマ時代に、ヴィルゴ水道の終点として皇帝アウグストゥスにより作られたもので、それをサルヴィが改造したものです。しかし、病弱だったサルヴィは完成を待たずに他界してしまい、彼の友人たちにより再開され、ピエトロ・ブラッチによって完成を迎えました。つまり、サルヴィにより設計され、ブラッチにより完成した、友情により完成された噴水なのです。

2013年1月には、フェンディがスポンサーとなって大規模な修復工事を行うことが発表されました。

オードリー・ヘップバーン主演の映画「ローマの休日」で、記者のジョー・ブラッドリーがカメラを借りようとして泥棒に間違われるシーンや、1960年に公開された「甘い生活」で、マルチェロとシルヴィアがトレビの泉でずぶぬれになるシーンで有名なトレビの泉。細い路地から突然現れるこの泉には、訪れる誰もが圧倒されます。