MY TRAVEL UNPACKED
検証!!モンサンミッシェルのオムレツ
フランス旅行といえば、まずはパリ。その次に人気の観光旅行地がモンサンミッシェルといっても良いのではないかというほどの人気。それもそのはず、孤島に浮かぶ修道院のその幻想的な風景を見れば納得。モンサンミッシェルは訪れる人を魅了し続けています。そのモンサンミシェルで有名なものが、なんと「オムレツ」。その昔、長旅を経てモンサンミッシェルを訪れる巡礼者たちに、少しでも疲れが取れるようにともてなしたとか。そのオムレツを味わってみたいという旅行者が後を絶たず、現在ではモンサンミッシェル旅行の目玉の一つとなっているのです。ところが、味が・・・という噂も聞こえるこちらのオムレツ。旅行前に、オムレツ事情を検証してみましょう。
モンサンミッシェル名物のオムレツの歴史は・・・?
モンサンミッシェルのオムレツの発祥は??
お札は使えるの?
モンサンミッシェルのオムレツは、1888年創業の宿屋「ラ・メール・プーラー(La Mère Poulard)」から始まったのです。当時は今のように交通手段も発達しておらず、巡礼者たちにとって、モンサンミッシェルへ巡礼することは容易ではなかったのです。それに、モンサンミッシェルが孤島に建てられているため、潮の満ち引きなどで海に流されてしまい命を落とす人もいたほど。命をかけて巡礼に訪れるほどこの土地が敬われていたんですね。
そんな中、「ラ・メール・プーラー」で働くプーラーおばさんは、そんな巡礼者の疲れを癒そうと、簡単ですぐに作ることができるオムレツを提供することを思いついたのです。そのオムレツで当時の巡礼者は腹ごしらえし、旅の疲れを癒したといわれていて、これが、この有名なモンサンミッシェルのオムレツの始まりとなったのです。
暖かい思いやりの心から、この名物オムレツが始まったと思うと、やっぱりモンサンミッシェルに旅行したら食べてみたいと思ってしまうものですよね。
実は、私たちが知っているオムレツと、モンサンミッシェルのオムレツは見た目も食感も全く違うんですよ。
モンサンミッシェルのオムレツは、フワフワしたスフレ風なんです。元祖「ラ・メール・プーラー」の入り口では、ポールと泡だて器でリズミカルに泡立てている姿を見学することができます。この様子は、モンサンミッシェルを訪れたら是非記念に撮りたい一枚です!!
レストランの入り口ですが、前の通りを通るとシャカシャカと泡立てている音が聞こえてきますよ。ちなみに、スタッフの方も、カメラを片手に中に入ると、親切にこちらを向いてポーズしてくれたり、とても旅行者フレンドリーですよ。
話は戻って、このフワフワしたスフレ風オムレツ、何度も何度も泡立てた後、薪で一気に焼き上げるのです。そのため、中は繊細な泡が広がりフワフワ、表面はさくっとしたスフレ風に仕上がるのだそうです。
味はとても薄く、オムレツにナイフを入れるとフワフワでボリュームがあるように見せる巨大なオムレツもシューっとしぼんでしまいます。個人的にはお世辞にも美味しいとはいえませんが、かつて巡礼者が長旅の疲れを癒したと思うと、感慨深いですね。
巡礼者を癒したこのオムレツ、私たちが知っている一般的な普通のオムレツと同じ??
あまり良くない評判を聞きますが、やっぱり、元祖オムレツを食べたほうがいいですか?
これは私自身の経験からの意見ですので、参考くらいにしてもらえればと思いますが、これまでヨーロッパの多くの国や都市を旅行してきて、こんなに嫌な思いをしたレストランはありませんでした。味が口に合うかどうかは個人の味覚や好みの問題なので良いとしても、詐欺に近いと言いたくなる様なメニューの料金表示や対応には驚きを隠せませんでした。メニューには12ユーロくらいのメニューがあるのですが、子供用なので注文できないとのこと。周りのお客さんが食べているオムレツがとても大きかったので、二人でシェアしたいので、ひとつコースを頼むことはできるかと聞くと、それもだめ。理由と聞くと、テーブルサービスなどにお金がかかっているので、一人1コースの注文が必要だとか。食後にデザートやコーヒーなどを頼んでもだめだと。メインコースから選ばないといけないと。旅行前に、グラム数の値段のみの表示で何万円という請求をされたという記事をたくさん読んでいたのですが、全くその通り。残念ながら、肝心の食事を始める前から、とても嫌な気分になりました。
しかも、肝心のオムレツの味も・・・・。こちらは個人の好みですが、とても数万円出して食べたいかというと・・・といった感じです。サイドのポテトのグリルや生牡蠣は普通に美味しかったです。
しかし、注文後は言葉が話せると分かったからか、とても親切・・・。ノルマンディー地方の生牡蠣の食べ方なども親切に教えてくれましたが、一流レストランでも経験したことのないこのサービスにはやはり懐疑的な気持ちを捨てきれず・・・。
ということで、元祖オムレツをどうしても食べてみたいという人は、上記を踏まえて経験として訪れることをお勧めします。レストラン内には、昭和天皇陛下やイギリスのサッチャー元首相をはじめ、店内に所狭しと飾られた多くの著名人の写真からも分かるように、過去には巡礼者を励まし、今に至っては観光名所として各界の著名人も訪れてきたということは事実ですので。
モンサンミッシェルにはもう少しお手ごろに名物オムレツを食べられるレストランはありますか?
大丈夫!!元祖オムレツのレストラン「ラ・メール・プーラー」が予算に合わないという旅行者に朗報がありますよ。オムレツがモンサンミッシェルの名物となった今、モンサンミッシェル内にはオムレツを提供するレストランが沢山あります。「ラ・メール・プーラー」はモンサンミッシェルに入ってすぐのところお(王の門の手前)にありますので、ひとまず、写真撮影をして、メイン通りの「グランド・リュ」を進みながら予算にあるオムレツのお店をみつけてはどうでしょう。例えば、ル・ムートン・ブランなどは評判がいいようですよ。それでも経験したい!!やっぱり元祖のレストランがいい!!と思う方は、戻ってもいいですしね。