​​​​ アマルフィ海岸​(Costiera Amalfitana) は、カンパニア州サレルノ県のソレント半島南岸の海岸で、ティレニア海のサレルノ湾に面して約30キロ続く海岸。1997年に世界遺産に登録され、世界一美しいと称される海岸。

 

日本では、2009年公開の織田祐二さん主演映画「アマルフィ女神の報酬」で一躍脚光を浴び、さらに人気に高まりました。

 

あまりにも有名なこの「アマルフィ海岸」。その起源は古代ローマ時代まで遡りますが、実は、土地の由来には心を打つようなラブストーリーがあったと伝えられています。その昔、ヘラクレスが溺愛していたニュンペーという女性と幸せに暮らしていました。しかし、彼女が突然他界してしまい、その悲しみから、この世で最も美しい土地に彼女を葬ることを決め、その土地(現在のアマルフィ海岸)に街を作り彼女の名前を付けたというのです。

 

839年にナポリ公国からの独立を果たし、「アマルフィ公国」となり、地中海貿易を牛耳るほどの勢力となりましたが、その後、ジェノヴァ、ピサ、ヴェネツィアなどの海洋都市国家が勢力を拡大し、ピサ人の侵略により、アマルフィ公国の勢力は次第に弱体化していきました。また、追い討ちをかけるように、1343年に起こった大嵐では、公国のほとんどが破壊され、海に沈んでしまうのです。現在では、断崖絶壁に入り組むように建てられたパステルカラーの家並み、燦々と降り注ぐ太陽、ターコイズ色の海に魅了された観光客で溢れる世界屈指のリゾート地として生まれ変わりました。

 

アマルフィ海岸とは、一つの町ではなく、いくつもの小さな町がカプリ島に近いソレントから東のサレルノまでの約30キロの海岸線上に点在していて、それぞれ異なる町の雰囲気、海岸線の美しさ、降り注ぐ太陽、パステルカラーの家々、レモン畑など、その息をのむような美しさは世界中の観光客を魅了し続けています。

 

アマルフィ海岸の町は、西のソレントから、ポジターノ(Positano)、プライアーノ(Praiano)、フローレ(Furore)、アマルフィ(Amalfi)、ラヴェッロ(Ravello)、ミノーリ(Minori)、マイオーリ(Maiori)、ヴィエトリ・スル・マーレ(Vietri sul Mare)があります。

 

特に、ポジターノ、アマルフィ、ラヴェッロは是非足を止めて散策してほしいお勧めの観光スポットです。そして、上記の映画「アマルフィ女神の報酬」のアマルフィ海岸でのロケ地もこの3つの町です。是非、ご旅行前に見てみてください。

 

また、洞窟というと、カプリ島の青の洞窟のみが有名ですが、実は、アマルフィ海岸にも「エメラルドの洞窟(Grotta di Smeraldo)」という洞窟があり、海中にあるマリア像が太陽の光で照らされる神秘的な空間が広がっています。