​​​​ アルベロベッロ​(Alberobello) は、イタリア共和国プッリャ州バーリ県のコムーネ。アルベロベッロとは、「美しい樹」という意味で、トゥルッリと呼ばれる珍しい建物が建ち並ぶことで有名。人口はわずか1万人ほど。

 

​現在は年間100万人以上もの観光客が、このおとぎの国のような建物群を見るために世界から訪れますが、その歴史は15世紀末まで遡ります。ナポリから送られたジャンジローラモ2世(のち、アクアヴィーバ伯爵)は、当時、家の数によって税金を徴収していたナポリ王に対し、税金をごまかすために、国の役人が確認に訪れるときに屋根を壊して家ではないと主張できる家作りを農民に指示したのです。役人が町に来る度に屋根を解体しなければならないため、農民は試行錯誤の上、トゥルッロを生み出したのです。16世紀半ばに約40軒のトゥルッロが建てられ、その後100年間の間に約1,500ものトゥルッロが建てられました。

 

アクアヴィーバ伯爵家の圧政も、1797年に終わり、住民は自治権を勝ち取りました。アルベロベッロでは、守護聖人の祭りが17世紀から続いていますが、圧政からの解放を祝う大切な行事となっています。そのおとぎ話のような街並みとは異なり、長年に渡る圧政という苦難の末に築かれた街だったのです。

 

アルベロベッロのトゥルッロ群は、「アルベロベッロのトゥルッリ」として、1996年に世界遺産として登録されました。